Unity , ADX2 実験室メモ

非エンジニアのサウンドデザイナーがUnityでなにかをつくる

過去のボカロ資産をMacで使おうとしたら、かなり面倒だった件

2時間かかった。

正直びっくりした。

今までボカロをWin環境でしか使っていなかったので気にしていなかったし、ここ数年まともに情報を追っていなかったのでMacで使う環境を調べてみたら面倒だった。

そもそもボカロのV2(初代 : 初音ミク)から最新のV4まで、ライブラリやエディタが変わりつつ、それぞれの対応具合を知らなかったので調査。

- Vocaloid Editor Vocaloid 3 Editor VocaloidEditor for Cubase PiaproStudio
メーカー ヤマハ ヤマハ ヤマハ クリプトン製
入手方法 各V2ライブラリに同梱 単体売り(一部セット販売有) 単体売り クリプトン製ライブラリに同梱
使い方 単体起動 単体起動 Cubaseが必須 DAWプラグイン
V2 Win Win Win/Mac Win/Mac
V3 - Win Win/Mac Win/Mac
V4 - Win Win/Mac Win/Mac
思ったこと
  • Macで単体で動作するエディタって、ミクが出て8年経ってまだ存在しないの!?
  • 昔のV2ライブラリってMac版のライブラリとして使えないの!?

V2のライブラリを8つくらいと、VY1V3というヤマハ製V3ライブラリを持っている自分にとって、Macでボカロをいじるために追加で必要なものは…

  • CubaseとVocaloidEditor for Cubaseを手に入れる

    • 普段使っているDAWがあるのに、Cubaseでしか使えないソフトを手に入れる。
    • Cubase(約6万円)とEditor(9340円)を買うと約7万円
    • 却下だ却下
  • PiaproStudioを同梱しているクリプトン製V3ライブラリどれか、もしくはV4ルカを買う

    • これだけV4が出ている今、V3ライブラリを買うのは抵抗がある
    • V4はルカだけ。(これを書いてる16日後にリンレンV4が出るけど今すぐ使いたい)

PiaproStudioさえあれば…

動かせそうなのに単体で配布していない!!! とりあえず試したい!

と思っていたらルカV4体験版の存在に気付きました。PiaproStudio同梱してるじゃないか。やった!

結果

晴れてLogicX上でPiaproStudioを使ってV3ライブラリ(VY1V3)を使える環境ができました。V2ライブラリが使えるとは言ってない。

  • V2ライブラリは…Mac対応しないの?

というわけで、僕みたいにWinからMacに移行した人たちには割と難儀な問題なんじゃないかと思ったよ。

SIG-Audio #12 効果音制作ベストプラクティス(後編)参加メモ

SIG-Audioってのはゲーム業界のサウンド系の人たちが集まって情報交換しましょう、っていう集まりです。

IGDA Japan SIG-Audio

前回(11/13開催)と今回は効果音制作について。 実演もあり、非常に実践的な内容で良かった。

シューティングゲームサウンドの作り方

スライドが公開済 http://igdajaudio.blogspot.jp/2015/12/sig-audio12.html

サウンド製作者には割と基礎的な内容

ダライアスバーストの事例を上げ、優先度の付け方や発音数の制限事例、 SE制作やサウンドデータ管理ツールの紹介と、幅広く実践的な内容だった。

途中、AtomCraftの画面を出してキューリミットの実演がわかりやすく 発音数制限の大事さと、どのように調整するかが見えて非常に良かった。

プラグインを活用して効果音を作ろう!

  • Attic 中條さん

Protoolsを立ち上げ、普段の制作過程を全て見せてくれた。

ボイスや環境音など収録素材、シンセ素材、効果音集など、そのままではバラバラなものを アナログ系のシミュレータープラグインを使い、全体的な統一感を出すテクニックや 必要な音をいかに素早く手に入れるかに重きを置いたソフトシンセの紹介、ランダマイズボタンの有用性などを強く押していた。 最近新たに2つの波形をモーフィングさせる(CEDEC2015でスクエニがやっていた)事も挑戦中という事で 試行錯誤が見られてのも興味深かった。

また紹介されたソフトシンセのGUIは、生成される音に合わせてアニメーションするもので ツールの使い勝手と見た目のデザインは、やはり大事であると再認識させられた。

以下、詳細。


シューティングゲームサウンドの作り方

ダライアスバースト クロニクルセイバーズ事例
  • とにかく音が多い (このゲームの楽しさの大きな要素が、ザコ敵の群れをなぎ倒す事にある)
    • 音の交通整理が要る
      • 音量/発音優先
優先度が高い方から
  1. BGM
  2. ボス、自機爆発、クレジット投入音
  3. 特殊ビーム
  4. アイテム取得
  5. 中ボス関係
  6. エネミー爆発
  7. エネミーショット
  8. 自機ショット

ゲームや、同じゲーム内でもシチュエーションによって変わる

優先度の考え方
  1. 鳴らないと違和感があるもの
  2. まれに鳴らなくても大丈夫なもの
  3. 何度もトリガーされるので多少鳴らなくても違和感がないもの
発音数制限
  • ADX2画面
    • ボイスリミットグループ、キューリミットの実演
      • ザコ爆発音のキューリミットを8に上げ、大変な音になる事も実演
      • 3種類ランダムでピッチ幅も少し持たせて、キューリミット2がちょうど良かった

普段使っている、ADX2の編集画面が出て実演されたのは面白かった。

シューティングゲームのサウンドとは
  • アタックが最重要、ここで個性を出すことでユーザーに必要な情報を伝える
    • 連続して鳴っても濁らない音を作る(ショット音に近い爆発音を作ってある)
ソフトシンセ紹介
サウンドデータ管理の紹介
その他

GLITCH MACHINEも使う トランスフォーマーっぽい音が作りたかったらしい。

WAVES vitamin 帯域ごとに音の広がりが設定できる 低音をモノにすると色んな音を鳴らしてもまとまりいやすい。

L2 L3は音が上がりすぎるので FG-Xを使ったりする

マスタリング用のツールをSE制作に使っているのがポイント。


プラグインを活用して効果音を作ろう!

中條さん

protoolsを使って制作過程を全部見せる。

SE制作だけでなく、レコーディングやら何やら用テンプレートを作ってある。 また、ショートカットの割り当て数がすごい。ほぼキーボードのみで操作している印象だった。

統一感の出し方

AC101 ヘッドアンプシミュレータ - ヘッドアンプシミュやテープシミュを全素材に同じものを掛ける事で統一感を出す。 - 80Hz以下、10000Hz以上は切る。これも統一感が出る。

実演いろいろ
  • signal generatorで単純なサイン波を作り、LFOを掛ける
  • 続いてホワイトノイズを作ってLFOを掛ける どちらもシンプルながら効果的な音が作れる。自分もよくやります。
Zero-GのKONTAKT用Libraryの紹介

講演後、このプラグインが欲しい!買います! という人が10人以上居た。 うーん、欲しい…けど保留。仕事で必要になれば即買い。

Protools標準プラグインも使う

講演のために用意したノートPC環境では普段の全てのプラグインが使えるわけではなくProtools標準プラグインを代用していた。

Vacuumは珍しい真空管をシミュレートしたものが多く、割と個性的な音が出せる。

Expand2はサンプラーで、それなりの音が作れる。

怪物の声を作る。

録音した声をエラスティック機能でリアルタイムにピッチを下げつつ

フィードバックが25%くらいで1度のみ、のディレイを掛けたりする。

  • 他の音(今回は水が流れる音)を重ね、その際サイドチェインでゲートを開いて使う
  • サイドチェインのリリースを調整する事で波形を切るよりも融通も利き、綺麗な減衰をする
  • 現実的すぎる音はL1で潰したりビットクラッシャーとかを掛ける

さらにサイドチェイン+ゲートでホワイトノイズを足す

綺麗すぎるのでlo-fiやらディストーションやらで汚して完成。

モーフィング系のプラグイン紹介

CEDEC2015でスクエニがやっていたモーフィングと基本は同じ。 - ZynaptiqのMorph 2.0 - 水の音がロボットの音に変形?モーフィング技術を使ったエフェクター ZynaptiqのMorph 2.0 リリース

金属と石とか、素材の違うものを攻撃した音なんかを素材を混ぜて作ると汎用性が上がったりするんじゃないか、という話。

いやー、面白かった。 モチベが上がる良い機会ですね。次も参加したい。

ちょっと手軽にモデリングしたい

Unityで扱う3Dモデルだったりステージ背景素材が作りたい。

  • fbx形式で書き出せるといいな
  • ボーンとかアニメとか設定できたら良いな
MagicaVoxel
  • MagicaVoxel
    • フリーソフト(Win / Mac)
    • ごく最近もアップデートされてて良い感じ。
    • boxel(3Dドット)のみ。使い所は限られるが重宝しそう
メタセコイア
blender
  • blender
    • 目的はこれで充分果たせそう。本命か。

  • 六角大王Super6
    • 2009年発売のソフト。開発会社が権利を譲渡しているので更新予定も無さそう。

もうちょっと調べて以下の記事を見つける

cg.hatenablog.jp

Sculptrisモデリングし、blenderでポリゴン数を約1/100に減らし、Unityに持って行ったという話。

いいなこれ。覚えておこう。

とにかく始めてみよう

UnityとADX2LEを使って、音にこだわった何かを作る

f:id:ksilogic:20151202151900p:plain

...と決めて、こんなページを作ったのは良いものの、立ちはだかる問題は山のように出てくるわけです。

試行錯誤をしているうちにまとまった情報はQiitaに投稿したりしていますが、細々したものはブログが良いと思い始めてみることに。

その前に説明

Unity5になり、Unity personalでもADX2LEが使えるようになった。

開発環境、全部無償なんだとさ。凄い時代になったもんだ。


んで、現状のスキルと目標に大きくギャップがあるので箇条書きにして潰していくよ。 ぐぐれば解決する内容もたくさんあるけど、ちゃんと基礎を勉強しないといけなさそうな部分も。

前提

  • 本業はプログラマーではなく、サウンド制作や管理
  • ADX2に関してはコンシューマー開発の経験でかなり詳しい
  • C#初挑戦。コーディング自体が10数年ぶり
  • オブジェクト指向も初挑戦

課題

  • UnityAudioでできること、ADX2じゃないとできないことの確認
  • 今月下旬にリリースされるVocaloid for Unityに関する情報
  • 技術的なところたくさん

というわけで、サウンドデザイナーがゲームっぽいものを目指して頑張ってみるよ。